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KYT 4ラウンド法のやり方

KYT(危険予知訓練)は、作業にひそむ危険をチームで話し合って見つけ、行動目標を決める訓練です。基本となる4ラウンド法の進め方を、記入例つきで説明します。

最終更新日:2026年10月17日

KYT とは

KYT は「危険(K)」「予知(Y)」「トレーニング(T)」の頭文字です。作業や職場にひそむ危険の要因を見つけて解決する力を高めるための手法です。住友金属工業で始まり、中央労働災害防止協会(中災防)が問題解決の4ラウンド法と組み合わせ、さらに旧国鉄の安全確認の手法である指差し呼称を取り入れて、「KYT 4ラウンド法」になりました。

作業の様子を描いたイラストや現場の写真を見ながら、チームで次の4つの問いに順に答えていきます。

始める前に

  • 人数:1チーム 5〜6人が標準です。全員が意見を言いやすい人数です。
  • 題材:これから行う作業のイラストや写真を1枚用意します。実際のヒヤリハットを題材にすると、話し合いが具体的になります。
  • 役割:進行役のリーダーを決めます。出た意見を書き留める人も決めておくと進めやすくなります。

4つのラウンド

ラウンドやること
1R 現状把握
どんな危険がひそんでいるか
イラストを見て、危険の要因と、それで起こる現象(事故の型)を全員で出し合います。
2R 本質追究
これが危険のポイント
出た項目のうち重要なものに○を付け、さらに1〜2項目に絞って◎と下線を付けます。これが「危険のポイント」です。全員で指差し唱和します。
3R 対策樹立
あなたならどうする
危険のポイント(◎)ごとに、具体的で実行できる対策を出し合います。
4R 目標設定
私達はこうする
対策を絞って重点実施項目(※)を決め、それをチーム行動目標にします。全員で指差し唱和します。

最後に、作業中に確認する「指差し呼称」の項目を決め、全員で唱和して締めくくります。各ラウンドは「現状把握」「本質追究」「対策樹立」「目標設定」と呼ばれます(資料によっては「本質追及」と書かれます)。

言い方の型

  • 危険の要因と現象(1R・2R):「〜なので、〜して、〜になる」
  • チーム行動目標(4R):「〜するときは、〜を〜して、〜しよう ヨシ!」
  • 指差し呼称:「〇〇 ヨシ!」

1R では、「危ない」だけで終わらせず、なぜ危ないのか(要因)と、その結果どうなるのか(現象)を1文で言うのがポイントです。7項目ほど出すのが目安とされています。

記入例

題材:脚立に乗って、棚の上の段ボール箱を下ろす

1R どんな危険がひそんでいるか

  1. 脚立の天板に乗っているので、箱を持ったときにバランスを崩して落ちる
  2. 箱が重いので、持ち上げたときに腰を痛める
  3. 脚立の開き止めが掛かっていないので、脚立が閉じて落ちる
  4. 足元に別の箱が置いてあるので、降りるときに踏み外して転ぶ

2R これが危険のポイント

◎ 1「脚立の天板に乗っているので、箱を持ったときにバランスを崩して落ちる」
「危険のポイント、天板に乗っているので、バランスを崩して落ちる ヨシ!」

3R あなたならどうする

  • 天板には乗らない
  • 脚立ではなく、手すり付きの作業台を使う
  • 箱は2人で受け渡す

4R 私達はこうする

重点実施項目 ※「手すり付きの作業台を使う」
チーム行動目標「棚の上の箱を下ろすときは、手すり付きの作業台を使って作業しよう ヨシ!」
指差し呼称「作業台 手すり ヨシ!」

うまく進めるコツ

  • 1R では否定しない。出た意見はまず全部書き留めます。絞り込むのは 2R です。
  • 対策は「だれがやっても同じ行動になる」言い方に。「気をつける」「注意する」ではなく、何をどうするかを書きます。
  • 行動目標は短く。声に出して唱和できる長さにします。
  • KYT で見つけた大きな危険は、リスクアセスメントにつなげる。行動目標だけでは下げきれない危険は、設備や作業方法の見直しを検討します(リスクアセスメントのやり方)。

安全ヨシでは

  • 気づきから始めます。記録したヒヤリハットや危険予知を題材にして、その写真のまま KYT に進めます。
  • 紙芝居のように1ページずつ進みます。基本情報、1R、2R、3R、対策の選定、4R の順です。
  • 1R は型に沿って書けます。いつ・どこで・誰が・何の作業中に・危険の要因・状態・不安全な行動・現象を、事故の型と一緒に1件ずつ入力します。
  • 2R は1人1票の投票です。参加者の名前を押して投票し、いちばん票の多い危険を「チーム最重点」にします。同点のときはリーダーが決めます。
  • 4R は言い方の型が入っています。「〜するときは、〜を〜して、〜しよう(ヨシ!)」に沿ってチーム行動目標を作り、指差し呼称も記録します。
  • 参加者が3名未満のときは注意を出します。
  • 実施記録は一覧で見返せ、Excel に書き出せます。

App Store で近日公開

出典

  1. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「KYT(危険予知訓練)」
    https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo40_1.html
  2. 新見労働基準監督署「高校生実践KYTマニュアル」(各ラウンドの呼び名)
    https://jsite.mhlw.go.jp/okayama-roudoukyoku/content/contents/001984862.pdf
  3. 厚生労働省 掲載資料(KYT の進め方・指差し唱和の例)
    https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0909-1g.pdf

記入例は説明のために作ったものです。実際の作業では、職場の設備や手順に合わせて話し合ってください。